あたしは桜子- 売れないモデル-
タケルはすぐに、桜子に電話した。

「桜子、あの記事を読んだの?大丈夫か?」


「タケル…。読んだわ。あたし…。嘘よ!きっと母さんが嘘八百並べたのよ。」


「桜子、落ち着いて。いいか僕の言う通りにして。余計な事言わなくていいから。多分マスコミが押しかけてくる。」


世間はあっと言う間に、2人の話題で騒ぎだした。
マスコミは連日、2人を追いかけた。

2人はやっと、社長の家で会う事ができた。


「タケル…。」


「桜子、今社長が、本当の事を調べている。」


「そんな事。」


「しなくてもいい?じゃあ僕達が兄弟だったらどうするの?愛し合って…。」


「もう、やめて…。」


桜子は、泣き崩れた。もう仕事ができる状態ではなかった。
その後桜子は、何も食べられなくなって入院してしまった。
仕事はみんな、キャンセルするしかなかった。
マスコミは、タケルに集中した。
タケルは、どんなに叩かれても負けなかった。
が、タケルもまた仕事は減っていった。


2人は、芸能界から遠ざかっていった。
< 64 / 89 >

この作品をシェア

pagetop