クールな幼なじみが本気になったら
次の日の月曜日。


わたしが学校に登校すると、校門を過ぎた辺りで、前の方にりっくんが歩いているのが見えた。


普段なら、「りっくん!」と呼んで駆け寄っている。


しかしわたしは、その声を飲み込んだ。


『りっくんには、好きなコがいる』


そう思ったら、自然と伸ばした手を下ろしていた。


ただの幼なじみのわたしが、出しゃばるべきじゃない。


遠いところにいる存在…。


それがますます、そんなふうに思えてきた。



教室に着くと、机に座る女の子がパラパラと雑誌のページをめくっていた。

そして、その机の周りに集まる他の女の子たち。


みんなが見ているのは、昨日発売の『Excellent』。


そこに写るりっくんを見て、キャーキャーと小さく騒いでいる。


そんな様子を眺めながら、自分の席へ座ったわたしのもとへ、だれかが駆け寄ってきた。
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