クールな幼なじみが本気になったら
楽しみすぎて、昨日なかなか眠れなかった。


熱い太陽が照りつけるけど、わたしの足取りは軽かった。



りっくんと待ち合わせている駅に到着。

集合場所の目印になる大きな街路樹の下で待っていると――。


「しずくっ」


わたしを呼ぶ声がして、すぐさま振り返る。


そこに立っていたのは、キャップを深く被り、メガネをかけているりっくんだった。


「…あれ?りっくん、前からメガネなんてかけてたっけ?」

「これ、伊達メガネ」

「…伊達メガネ?でも、どうして?」

「一応、…変装」


コホンと咳払いをするりっくん。


ああ、そっか。

わたしの大好きな彼氏のりっくんは、人気モデルだったんだ。


幼なじみの感覚のままで、たまにそのことを忘れてしまうことがある。


「でも変装なら、もっとマスクとかもしたほうがいいんじゃないの?」
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