クールな幼なじみが本気になったら
「おもしろいかどうかじゃなくて、あとから聞かされた俺の身にもなれよ…」

「え…?」


わたしが首を傾げると、りっくんは力が抜けたようにその場にしゃがみ込んだ。


そして、深いため息をつく。


「しずくが、だれかのものになるかもって思ったら…。頭ぐちゃぐちゃで、どうにかなりそうだった」


…りっくん。


「だから居ても立っても居られなくて、ここにきたんだ。しずくを取り返すために」


りっくんの言葉ひとつひとつが、わたしの胸に響く。


幼いときから優しいりっくん。

今は話したりすることも減ったけど、それでも幼なじみのわたしを大切にしてくれてるんだと、改めて実感した。


「今日は、しずくの家まで送るから」

「…えっ?でも、それじゃありっくんが遠回りになるよ?」

「そんなこといいんだよ。俺がしずくを送りたいんだ」
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