ストーカー幼馴染は彼氏にはなりません!(多分)

そんなこんなで恋愛漫画を読み漁っていた頃

お母さんから電話が来た。

『ご近所さんから野菜貰ったから次の休みに取りに来るように』

…だそうだ。

なかなか筆が進まなかった私は気分転換に実家に戻ることにした。


ーーーーーー…………


「今週は残業が多かったなぁ…」

仕事を終え、実家に向かって歩きながらつぶやいた。

明日は休日。

本当は明日実家に行く予定だったが疲れきった私は実家にそのまま向かうことにした


「家に帰ってご飯ができてるって、幸せだよなぁ」


と幸せを噛み締めながら。


「ただいま〜」

実家についた私が声をかけると

「「「おかえり〜」」」


家族みんなが出迎えてくれた。

「あ、お兄ちゃんも来てたんだ」


兄は私より2歳年上で結婚している。


「夕飯食べたら帰るけどな」


夕飯狙いか…。

「麗美さん元気してる?」

麗美さんとはお兄ちゃんのお嫁さんの名前。

「元気だよ。香奈に会いたがってた」

麗美さんは私のことを本当の妹みたいに可愛がってくれている。

「麗美さんは一緒に来なかったんだね」

私も会いたかったのに。と文句を言うと

「今日は同窓会があるんだって。終わった頃に迎えに行く。」


…相変わらずの溺愛っぷり。

結婚して6年経つのに仕事の送り迎えも出来るだけしてるそうだ。

なんでそこまでするのか聞いたら

『一緒にいられる時間を大事にしたいから』

と即答。

それだけ想える相手と出逢えたって、凄いなぁと感心していると


「そういえばこの前晴人に会ったぞ」

と報告してくる兄。

…私達の事情知ってるくせに

「そうなんだ。元気そうだった?」

私がなんでもない顔をして返すと

つまらなさそうに

「いや、元気…って感じじゃなかったな
雰囲気も全然違う感じだったし。」


雰囲気が違う?

「前はもっとキラキラした雰囲気だったけど、この前は服装や髪型もだらしないというか、暗かった」


…え、あの晴人が?

「それ別人じゃないの?」

驚きながら返えすと

「俺も自信なかったけど声かけて話したから、間違いないよ」

と、兄。

自信ないのに声かける兄、強いな。


でも、あのキラキラを体現したような晴人がだらしなくて暗いなんて…。

調子でも悪かったのかな。


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