あなたと生きたい
『わかりました。しかし、誰が?』
『それは……わかりません』
『このアドレスでメールを送れるのは、あなた以外には出来ないんでしょうか?』
と警部は尋ねた。
『いや、前回も言ったように、誰かが僕のメールサーバーに入り込めば可能です』
今井は、同じ説明をした。『どうやって?』
警部が厳しく突っ込んだ。『メールサーバーは外部から入れないように、当然パスワードや暗号でブロックされていますが、優秀なハッカーなら侵入出来るはずです』
今井は必死に説明した。 『どれくらい優秀な相手ですか?』
『相当な……』
『あなたなら出来ますか?』
『いえ…僕のレベルでは……』
本多警部は、今井に完全に疑わしい。しかし、NTTで仕事をする今井が、わざわざ疑われやすい自分のアドレスで送信するはずがなかった。
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