あなたと生きたい

第一章〜十話〜

川井の顔から…鼻がなくなっている… 
(くそっ!間に合わなかった…)
本人は、まだ築いてないようだった。だが、今井の怯える顔を見て、川井はただならぬ物を感じた。
『どうした?お前震えてるじゃん?汗もすげーぞ!』今井は何て答えれば言いのかわからなかった。川井は平気な顔をしているが……鼻の骨が露出している。 今井は恐る恐る聞いた。
『い…痛くないのか?』
『はぁ?何が?』
『はっ…鼻…』
いいかけて辞めたが遅かった。
『え?鼻?そういえば鼻声だな…』
と言いながら川井は鼻に手をやった。
『…なっない!』
川井は慌てながら叫ぶように、今井に言った。
『お俺の鼻、ない…のか』『…………』
川井は、怯えるように玄関の鏡を見た。
『ぎゃあぁあ』
パニックになっている川井に、
『とにかく病院に行こう!』と今井は言ったが、川井は混乱して動けないでいた
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