弁護士は逃げる婚約者を離したくない
「ち、違います!」

私はとっさに言い返していた。

「南川さんとは何も関係ないです!

今日だってつきあってもらっていただけです、そう言うことです!」

早口で言い返した私に、
「えっ…ああ、そうなんだ…」

蜜柑さんは困ったように返事をして首を縦に振ってうなずいた。

「え、恵麻ちゃん…?」

戸惑った様子で私の名前を呼んだ宇大に視線を向けると、
「南川さん、今日はありがとうございました!

私はこれにて失礼します!

またいつかお元気で!」

早口で言った後にペコリと頭を下げると、その場から立ち去った。

「えっ…ちょっと、恵麻ちゃん!」

宇大が何かを言おうとしていたが、それを無視をすることにした。

弁明をしようってか?
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