弁護士は逃げる婚約者を離したくない
「恵麻ちゃんやさかいかな」

宇大が言った。

「はっ?」

その答えに、私は思わず躰を起こした。

「全く意味がわからないのですが…」

そう言った私に、
「僕は恵麻ちゃんそのものにひかれたんや」
と、宇大は言い返した。

いや、どう言う意味なんだよ。

宇大は何を私に伝えたいのだろうか?

答えにもなっていないその返事に、私は何と言い返せばいいのかわからない。

「わからへんって言う顔をしてるなぁ」

そんな私に向かって言ってきた宇大に、
「そう思っているんだったら、もっとわかりやすく答えてくださいな」

私は言い返した。

「まあ、今はわからへんままでええで」

宇大は言った。

「えっ?」

何でそんなことを言うんだろう?
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