金曜日②

今更ながら、我々の紹介をしたいと思う。

彼女の名は葉月。以前はペットショップで働いていたが、今は化粧品店で接客をしている。

僕の名は直樹。OA機器の営業をしている。

彼女と出会ったのは2年前の喫茶店でのことだ。

僕は休みの日、そこの喫茶店によく通っていた。

特にコーヒーが美味しいという店でもなかったが、店内は静かだったし暇を潰すには悪くなかった。

ある日僕が店を出ようとした際、ドアのそばに小さな熊のキーホルダーが落ちていたので、店主に伝えてそれを預かってもらっていた。

翌週お店に行った時、1人の女性が近づいてきた。

「この前はありがとう。小さいからもう見つからないって諦めてたの。ここのお店の人に聞いたら、お客さんが拾ってくれたって言ってたの。さっきお店の人があなただって教えてくれたわ。」

それが葉月だ。

それから挨拶を交わすだけの日も続いたが、ある日彼女から食事に誘われた。

それ以来、お互いに時間が合えば会うようになった。

僕は彼女に対して良いイメージを持っていたし、彼女も僕に対して良いイメージを持っていたからこそ誘ってくれたのだと思う。

居酒屋で支払いを終え、彼女を家まで送ることにした。

「明日の夜、空いてる?」と彼女は聞いた。

「明日も何時に帰れるかわからない。」

僕は今日部長から頼まれた資料のことを思い出しながら言った。

「いいわよ。明日は私も遅い時間帯になると思うから。次の日が休みなの。」

彼女を送った後、家に着く頃には11時を過ぎていた。

シャワーを浴びて冷蔵庫から缶ビールを取り出した。

そっとは小雨が降っていた。

次の日の夕方、少しだけ早く営業から戻り初めにその日の契約書をまとめた。

その後に部長の元へ行き、昨日の資料を受け取った。

「助かるよ。」とだけ言って、部長はまた仕事に戻った。

思った以上に時間がかかった。

21時を過ぎた頃には、僕と部長だけなっていた。

「君ももう帰っていいぞ。月曜日までに作ってもらえると助かるから。」

部長は疲れた目を何度か瞑りながら言った。

「後もう少しなので、終わったら帰ります。明日は休みですので。」

そうか、君もあまり無理はしないようにと言った後、一階の自動販売機で缶コーヒーを買って僕に渡し帰って行った。

仕事が終わったのは40分後だった。

戸締まりをし、一階に降りた。

彼女に電話をした後、いつもの駅で待ち合わせをした。
< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop