消えないで…僕の初恋



床を捉えていた視線を
上にあげようとした瞬間


「ごめん、姫野さん」


オルゴールみたいに
品のある声が降ってきた。




ドキリ。

胸が飛び跳ねる。



そのせいで
視線を上げる勇気が
逃げ出しちゃった。



「僕がぶつかっちゃったせいで
 痛かったよね? 大丈夫?」



焦りが含まれていている
この大好きな声の主は


まさか……




覚悟を決め

床にお尻をついたまま

ゆっくりゆっくり
視線を上げる。



その先には

片膝を床についた王子様が

心配そうに
私を見つめてくれているでは
ありませんか!


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