iDOLの恋人～好きになった人は超有名人でした～
「テオ。明日のOFFにまた彼女のところにいくつもりだろう？」

「え？」

久しぶりの日本でのライブが終わって莉奈と電話しているところに突然現れたマネージャーが口を開いた。

「……ああ。」

「そのことなんだが…」

「何と言われても行く。バレないように変装だってする。そのためにビジネススーツも買ってある。」

絶対またいい加減にしろ。立場をわきまえろと言われると思ったのだ。

「テオと彼女の関係を否定する必要はないというのが今の事務所の見解だ。」

「え？」

「1つだけ聞く。彼女はおまえたちの最大のスポンサーである結城グループの一人娘だってことはわかってるな。」

「ああ。わかってるよ。」

びっくりした。事務所が突然莉奈とのことで軟化したからだ。

「彼女は結城グループに入社してからというもの、社交界では才女と噂されてる。まだ23歳で日本の大企業の娘でしかも能力の高い女性が、テオのような成り上がりを相手にしないことをわかっててその関係を続けてるなら文句は言わない。」

グサリとささる一言だった。
そうだ。莉奈は日本の大企業、結城グループの令嬢だ。
自分みたいなもと貧乏人が相手にされるわけもない。

結城グループは僕たちのグループをデビュー当初から応援してくれていて最大のスポンサーにもなっている。
そのひとり娘の莉奈をどうこうなんてできるわけはなかった。
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