極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「じゃあ桃花明日の朝来るからな」
「うん」

「美貴さん、無理せずに早く寝なさいね」
「はい」

さすがに私のマンションに4人は狭いだろうと、駿は太郎さんのマンションに泊ることになり、桃花が私のマンションに泊ることになった。


「太郎さんって、いい人ね」

太郎さんと駿が帰って行った後、シングルベット1つしかない私の家で同じ布団にもぐりこんだ私と桃花。
お互いに身動きもできない狭いベットの上で、私も桃花もなかなか寝付けないでいた。

「うん、そうね」
私は素直にうなずいた。

私にはもったいないくらい優しくて素敵な人。
たとえ一時の関係でも、彼といられたことが幸せだと思える。

「結婚とか、考えないの?」
「ないない」
「どうして?」
「それは・・・」

結婚はしないと決めているから。
いや、違うな。
裏切られ、捨てられるのが怖いから。

「お姉ちゃんは強いものね。私と違って、1人でもちゃんと生きていける」
「そんなこと」
ないよ。

本当の私はとっても小心者の寂しがり屋なんだから。
そういえば、そのことに唯一気づいてくれたのが太郎さんだった。
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