極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません
「で、何があったの?」

子供達にはジュースを出して泉美には紅茶を入れ、私も向かい合って座った。
今日は沙月ちゃんも来てくれているから、少しくらい泉美の相手をしていても困ることはない。

「旦那に女がいるみたいなの」
「はあ?」
んなバカなことがある訳ないでしょうと、私は半笑いで口を開けた。

だって、2歳年下の旦那さんは泉美にぞっこんで、今だにラブラブ。
弁護士さんだからかなり忙しいんだろうに、泉美が外出するとなると必ず子守をしてくれる。
私と飲みに出るのも反対されないし、休みの日には料理や洗濯もしてくれる理想の旦那さま。
間違っても浮気なんてする人じゃない。

「最近特に帰りが遅いし、飲んで帰ることも増えているし、ワイシャツから香水のにおいがすることもあるのよ」
「それは、忙しい仕事をしていれば帰りが遅くなることもあるだろうし、付き合いの酒席だって多いはずでしょ?仕事でかかわるのは男性ばかりじゃないんだから、ワイシャツに匂いが付くことだってあるかもしれないじゃない」
「だって・・・」

いつもさばさばとはっきりものを言う泉美も、こと旦那さんの話となるとこんな感じ。私は面白くて笑っているんだけれど、本人は結構本気で悩んでいるらしい。
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