迷信を守らず怪異に遭遇し、必死に抵抗していたら自称お狐様に助けてもらえました。しかし払う対価が、ややエロい件についてはどうすればいいのでしょう。

対価は添い寝(三)


「そうだろうなじゃないし。助けないにしたって、せめて逃げる方法を伝授するとか、なんかないわけ」

「そこは根性で」


 怪奇に根性論なんて、今まで一度だって聞いたことないわ。

 誰がどう考えたって、適当に返事をしていることは分かるだろう。

 この前の時に気まぐれで助けただけだと言われていたから、今日だってある程度は分かっていたけど、それにしてもひどいと思う。


「お、おまえなぁ、そんな顔したって、毎回は助けないと言っただろ」

「エロ本まで買ってきたのに」

「これは相談料と前回の足りない分だ」


 確かに前回助けてもらった分は何も払ってないも同然だけど。


「女子高生と添い寝」

「は?」

「だから、女子高生と添い寝させてあげるって言ってるの。これなら、足りるでしょ」


 今日捕まるのが分かっていて、一人でなど寝れるわけがない。

 本当は男の人と一緒に寝るなんてありえないけど、背に腹は代えれないし、どのみち人でもないから問題ないだろう。


「……」


 シンは考えるように、眉間にシワを寄せたまま私を見た。

 そして視線を上から下まで、何かを確認するように移動させる。


「乳がなぁ……なんとも残念で……」


 シンが言い終える前に、私はすかさずすねを蹴り上げる。
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