4番目の彼女
「でもね、何かもう駄目だなって諦めてしまいそうなときも、 なんとか頑張れたときも、それでも駄目だったときもずっとずっと、きぃちゃんが俺の中で『初志貫徹』を掲げててくれたんだ。頑張れって」

 いつになく真剣な目で見つめられると、照れくさくて仕方ない。

「なんか恥ずかしい」

「いや、本当に心の中のきぃちゃんがずっと応援してくれたから俺は世界に挑戦しようと思えた。もし大人になって再会したときに恥ずかしくない自分でいたいなって。
 で、結局四位って、かっこ悪いよね。ははは」

「そんなことないよ、四位だってすごいし、ダンススクールを五年もやってるんだもん。徹志くん立派だと思う」

「本当は、きぃちゃんを下衆な想いで見たくなかった。再会するのもホントはちょっと怖かった。だけど、再会して触れられるなら、触れたかった」

 徹志くんは私の肩に手を回すと首元に顔を寄せた。

「俺がこんなやつって知って幻滅した? ヤダ? 俺、世界一は取れなかったけど、きぃちゃんの世界一になりたい」
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