ライム〜あの日の先へ
『仕事中ごめん。熱があって』
「え、熱?凛か?」

熱。凛。そんなキーワードが聞こえ、零次は思わず一成の声に耳を傾けた。

『私なの。忙しいのにごめん。早く帰って来れる?』
「いや、今から電車に乗ってもプリスクールにつくのは一時間以上かかる。病院は?」
『病院行くほどじゃない。ただの風邪だから。家には市販薬あるし寝てれば治るから大丈夫』

「一成、プリスクールなら車で20分だ。送る」

電話からわずかに漏れ聞こえた会話から緊急を要するとわかった瞬間、零次は間髪入れず一成に声をかけていた。
一成はびっくりして思わず耳からスマホを少し離してしまう。

すると電話の声は零次にもっと聞こえやすくなった。

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