ライム〜あの日の先へ
重いまぶたを開けば、目に映る状況に頭がついていかない。

「あれ、私……」

目の前にいるのはスーツ姿の一成だ。

「とりあえず、帰ろう。
あなたが水上さん、ですか?ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます」

一成が水上に深々と頭を下げる。

「いえ。りんちゃんもずっと待っていたんですが、うちのハルトが寝てしまったら一緒に寝てしまって」
「もしかして、ハルトくんのお父さんですか?ということは一条琴羽さんの……」
「あぁ、そうです」
「それで零次とも知り合いだったんですね。いやぁ、これで全てつながりました」

水上と一成がそんな会話をしているのが遠くに聞こえる。

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