ライム〜あの日の先へ
「去年は、みどりさんがお弁当を用意してくれたんだけど……」
「あれか……」
みどりというのは昨年、父が付き合っていた女性だ。家事スキルゼロで料理も全然できない。そんな彼女が父に気にいられたくて、鈴子の運動会の弁当を用意すると張り切っていたのだが。
手渡されたのは有名料亭の懐石料理が詰められた弁当。とても子供が喜ぶ内容ではなかった。
「お弁当、美味しくなかった。
それに、みんなはお弁当をお父さんお母さんやおじいちゃんおばあちゃんと一緒に食べてて……私は教室で先生と二人で食べたの」
「ごめんな、鈴子」
一成と零次はバスケットボール部に入っていた。昨年はちょうど、鈴子の運動会の日に大会があって休ませてもらえなかった。
だが今年は既に部活を引退している。
「おにい、今年は来てくれる?」
不安げに尋ねる鈴子に一成は大きく頷いた。
「あれか……」
みどりというのは昨年、父が付き合っていた女性だ。家事スキルゼロで料理も全然できない。そんな彼女が父に気にいられたくて、鈴子の運動会の弁当を用意すると張り切っていたのだが。
手渡されたのは有名料亭の懐石料理が詰められた弁当。とても子供が喜ぶ内容ではなかった。
「お弁当、美味しくなかった。
それに、みんなはお弁当をお父さんお母さんやおじいちゃんおばあちゃんと一緒に食べてて……私は教室で先生と二人で食べたの」
「ごめんな、鈴子」
一成と零次はバスケットボール部に入っていた。昨年はちょうど、鈴子の運動会の日に大会があって休ませてもらえなかった。
だが今年は既に部活を引退している。
「おにい、今年は来てくれる?」
不安げに尋ねる鈴子に一成は大きく頷いた。