社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
「坂巻さん、秘書室の呑み会に行きませんか?」
「えっ? なにそれ、めんどくさい」
「武者小路さん、秘書室の」
「めんどくさい」
「前倉さん……」
にこやかな前倉の顔を見た瞬間、千景は、なにも言わずに、すみません、と頭を下げていた。
はあ、と溜息をついて座ると、
「どうした?
秘書室の呑みに誘われたのか。
戸塚がいるからいいだろう」
と武者小路に言われる。
さっき戻るとき、早蕨に、
「呑み会、この金曜日になったから」
と言われたのだ。
「誰か誘ってきていいわよ」
と言われたのだが。