社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
昼少し前、千景は律子からメッセージを受け取った。
「今からリラクゼーションルーム行く。
昨日、限定チョコ買えたんだ。
ちょっと抜けられるのなら、寄りなよ。
あげるから」
「わーい、ありがとうございますーっ」
と千景は入れたあとで、大きなハートを抱えたハムスターのスタンプを送った。
ちょうどコーヒーを手に武者小路が戻ってきた。
目が合う。
立っている位置が近かったので、なんとなくだろう。
武者小路の視線が千景のスマホを向いた。
はっ、見られていたっ、と思った千景は謝る。