たとえ、この恋が罪だとしても
 待子さんと話していると、この世の中に悩みなんてない、不可能なことも何もない、という気がしてくる。

 翔太さんから時計を返してもらい、ハンカチで包んでバックのなかにしまった。

 まだ心臓がどきどきしている。

 こんなことが自分の身に起こるなんて、一時間前、いやほんの10分前にも想像していなかった。
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