さあ、離婚しましょう  始めましょう

そして、次の日から尋人の言葉を理解した。
朝から届くメッセージ、夜会える日は一緒に食事にも行くし、仕事が忙しい日は必ず夜電話があった。
今までが何だったのかと思うほど、ストレートに言葉にしてくれる。嬉しい反面、くすぐったさも覚える。

そして今週末は、尋人の家に行く話になっている。
何気なく『外食ばかりじゃ体に悪いよ、作りに行こうか?』電話口で言った私に、一瞬顔が見えない電話の向こうが無言になった。
『じゃあ、今週末よろしく』そう言った尋人。それに今更断れないと私は同意した。


そして今日。
『鍵を渡しておくから帰っていて』
社内恋愛のドキドキを今更味わうように、休憩室でこっそりともらった尋人の家の鍵。一度返したものがもう一度自分の手の中にあることが信じられない。
私が返した時のままのキーホルダーがついていたそれを、バッグにしまうといち早く定時であがりまず自分の家に帰った。

そして念入りにシャワーを浴び下着を選ぶ。どれにする? 一応、一緒に住んでいるときに見られてもいいようにと可愛らしいものや、色気があるものも多少購入していた。
もちろん登場することも、見せることもなかったが。
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