さあ、離婚しましょう  始めましょう

『宗次郎、付き合ってよ』『結婚してあげてもいいよ』
優しい彼はそれに笑顔で「いいよ」と言ってくれた。
でも……。強引に迫った自覚のあった私は、だんだんと自分ばかりが好きなのではないかと、一緒にいればいるほど不安になっていった。

そして北海道に行くことが増え、宗次郎と過ごす時間も減ったころ、たまたま会社に戻った時に目に飛び込んできた光景。
宗次郎の隣で微笑む弥生。
可愛らしくて、守ってあげたい。そんな女性。

大切な友人で、今まで私をずっと応援してくれていた彼女を、私はうらやましいそう思ってしまった。

弥生に優しく仕事を教え、笑顔で会話をする二人に私はなぜか逃げ出していた。
弥生には尋人がいるのにバカだ……。
そうは思うのに、私の気持ちはどんどん急降下していった。
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