さあ、離婚しましょう  始めましょう

『それなら決まりな』
すでに決定事項になってしまい、私は小さく息を吐く。

確かに私たちはこの数年で仲良くなった。先輩後輩の関係から、友人に近くなったと思う。
そして男女四人が友人になればそこから派生するのは、だれもが想像できる”恋”だ。
もう佐和子は宗次郎君を好きなことをほとんど隠していないし、宗次郎君もまんざらではないと思う。おだやかな宗次郎君に佐和子がグイグイと押しているが、もう少しで宗次郎君もおちるのではないかと思っている。
それならば残った二人が。普通漫画やドラマならそうなるのかもしれないが、そう現実はうまく行かない。

例に漏れず佐和子に比べて、自分を出せない私だが、いつも明るく自分にないものを持っている尋人に惹かれるのには時間がかからなかった。
しかし、尋人は……。
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