How To Love
僕のプリンセス



軽く口づけたあと、一瞬で身を硬くした樹里。これが‘プラトニックなお付き合い’と言ったことと関係あるんだろう。母親のことまで話してくれて十分だけど…一気に楽になってよ、樹里。

「…あの…チュッって…」

言ってから恥ずかしくなったのか、樹里が視線を下げ口をつぐむ。

「チュッってしたね…」
「…いいんだけど…」
「いいの?」
「ぇ…っと…あのくらいは…だいじょぶ…ぁ、大丈夫かな…」
「うん…でも?」
「うん…そう、でも…それ以上は…」
「…樹里、それ以上触れられるのが嫌?それとも怖い?」

彼女の表情の変化を見逃さないように目を凝らす。瞳を揺らし言葉にすることが出来ない様子の樹里を助けようか…

「キスが嫌?」

一瞬間をおいて小さく首を横へ振る樹里に

「…体に触れられるのが…嫌?」

と優しく聞いてみる。何も今触れようとしているわけではないが樹里の気持ちは知りたい。

「…それは…嫌」
「そうか、教えてくれてありがとう、樹里」

抱きしめても身を任せてくれていたのだから、それ以上が嫌ということか?嫌な思いをしたことがある?
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