ともだち
‥‥ここらへんなはずなんだけど。




周りを注意深く眺めていると、突然後ろから声をかけられた。


「遅い、待ちくたびれたんだけど」

「‥‥びっくりした」



突然のともだちの声に、私は心臓をバクバクさせながらゆっくりと振り向いた。




そこに彼女はいた。



いたずらが成功した子供のようにニヤニヤしていて、高校時代と全く変わらない姿だった。



「相変わらず変わらないね」

「そっちはちょっと年取った?」

「殴るぞ、大人っぽくなったと言ってよ」



だいたい、普通は人は変わっていくものなのだから。



「っていうか、いい加減この登場の仕方やめてよね。いつも心臓に悪いんだけど」



「私、人の嫌がることするの好きだから無理」



なるほど、姿だけではなく中身もほとんど変わらないみたいだ。相変わらずむかつく奴だった。



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