青春の備忘録

11月──憎悪

 それからというもの、「彼ら」とはパッタリと音沙汰がなくなった。
 受験が差し迫っている中で、私はあの日の出来事を振り返り、自分を擁護しながら良太を憎んでいた。
 私はストーカーなんかしていない、いくら好きでもそんなことはしないし、これは事実だ。
 受験が近くて気が立っていたというのもあると思うし、反論するのも無理はないと思う。
 ただし、大勢の前で1人の名誉を傷つけたあいつは……不本意だとしても許せない。
 名誉毀損だ、侮辱だ。
 私の面目を潰しておいて。
 許せない。
 いくら事情があったとはいえ、好きだったとはいえ、これは行き過ぎだ。
 許せない。
 その先1年近くこう思い続けることになる。
< 164 / 174 >

この作品をシェア

pagetop