終わり良ければ、せふれ良し。
プロローグ
気づけば27歳になっていた。
彼氏はかれこれ7年はいない。
セックスは・・・

えっ。
いつしたっけ。
覚えてないほどの過去のこと?

やばっ。
干からびてんじゃん、わたし。
・・・と思っていた矢先。
「ちょっ、(あんず)!婚活パーティーついてきて!お願い!」
昨年結婚したばかりの大学時代からの友人、芽生(めい)
旦那の浮気が発覚し、一気に拒絶反応が起こった芽生は、セックスレスになってしまったことがきっかけで同年に挙式も挙げずに離婚した。
バツイチになってしまったけど、子どもがいなかったことがせめてもの救いだと言っている。
元旦那は高校生の時から付き合っていた彼氏だったこともあり、離婚するまで元旦那としか経験がなかった芽生は、タカが外れたのかその後はアプリで出会った男たちとワンナイト三昧の日々を過ごしているのだという。
遊びつくして、セックスして、ご飯も奢ってもらえて、送迎付き。
今が人生一番楽しいと話している。
「でもパーティー参加者はこのアプリ強制登録みたいだから・・・お願い!マッチングしなくて良いから!登録だけして!」
「いいよー」
芽生に誘われ、何の迷いもなく登録することにした。

結婚願望はある。
彼氏もほしい。
でもできれば男友達がほしい。
彼氏が見つかるまで、身体だけの関係の相手がいるのも悪くない。
だって、もう27歳だし。
遊べるのは今だけだし。
23歳を過ぎてから年を取るのが階段を転げ落ちるように早く感じる。

そんな薄らと、あわよくばな精神の感情で気軽に登録した。
のちにこの登録がきっかけで、「ふたりは出会う」ことになる。
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