こんなのアイ?
その後のメッセージは読まずにキッチンに籠った。克実は予定通り夕方に帰ってきてまずピカピカになったお風呂に入り、ハンバーグ、ポテトサラダ、大根煮、揚げ出し豆腐など細い体に似合わずたくさん食べ
「生き返った…」
と笑う。私もつられていつもより食べたな…
「克実、私平日でも来るよ。不規則勤務の克実こそしっかり食べなきゃいけないし…こんなになるまでに来るよ」
「うーん…クリニックの賃貸契約しようかと考えていて…いい場所があったから…でも1年で準備出来るかが厳しいかと悩んでいるところ」
「それで忙しくしてたんだったら、尚更…勤務しながら開業準備する今からずっと忙しくなるのよね。体を壊したら元も子もないわ」
克実はソファーに体を投げ出すと
「愛実、ここに越して来る?クリニック、今のところここから徒歩5分で考えてる。勤務医はギリギリまでは出来ないな。半年で辞めて半年は開業に万全を期す」
天井を見つめて決意のように聞こえる言葉を紡いだ。なんだ、もう決めているんじゃないか。
「ねぇ克実、予定より早いけどいいところだから…きっと克実の思い描くクリニックが開けそうなところだから決めたいんでしょ?私は予定より早いことで資金面でやり繰りが出来るのか気になるけど…少しなら協力できるよ」
克実は寝転んだまま視線だけ寄越すと微笑んだ。
「愛実は優しいな。資金の心配は今のところ大丈夫」
「そう…準備期間に私が手伝えることはある?それによって今の事務所を辞める時期を決めたい」