ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
新作は美味しいチャーハン
 子猫のエリナの朝は早い。
 子どもはまだまだ夢の国に居ても良い時間に、もっふりとした気持ちの良い尻尾の中で眠っているエリナは起こされる。

「エリナ、朝だぞ」

 ぽふぽふと、柔らかで丸いエリナの頬を肉球で優しく叩くのは、フェンリルのルディである。
 ある日突然、彼のベッドの中に現れた白い耳の子猫を彼は家族のように育てているのだが、彼女の過去になにがあったのか、いまだにわからない。そんなエリナが夜を警戒していることを知った彼は、エリナが安心して休めるようにと常にフェンリルの姿で彼女に添い寝している。
 その姿はどう見ても子育て中のお父さんなのだが……ルディはまだまだ若くて魅力的な青年なのである。

 現在の見かけは子猫のエリナなのだが、日本で暮らしていた時の江理奈は二十一歳の社会人女性だった。わけがあって、彼女は子どもから育ち直しをしているのだ。
 だから、ルディが夜勤の時には勤め先の青弓亭に部屋を借りて、ちゃんとひとりで眠っているし、添い寝の必要はない。
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