ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
黒き魔女の瞳
 ルールーたちは、馬車に買いつけた商品をたくさん積んでフィフィール国に戻った。

 馬車が真珠貝商店に着くと、後のことは店の者たちに任せて、老従者のイーシーはフィフィール国の王宮に向かった。そして、建物の奥深くに行くと階段を降りる。
 小さな部屋に着いた彼は服を脱いで丁寧に畳むと、扉を開けた。そこは壁面に灯りが灯った洞窟になっていて、床はなく海水が満ちている。

 彼は水の中に入ると、大海蛇へとその姿を変えた。

 イーシーが変身した巨大な海蛇は、そのまま水の中を深く深く潜っていく。陽の光がほのかに射し込む海中は美しいブルーグリーンで、その中を虹色の身体をきらめかせたイーシーが泳ぐ。
 遠くから見る分には素晴らしい光景だが、口を開けたら人間をひと呑みできる大海蛇に近寄りたいと思うものはいないだろう。
< 132 / 234 >

この作品をシェア

pagetop