ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
 淡い茶色の巻き毛をくるんくるんさせた子犬のつぶらな黒い瞳に見つめられて、エリナは『うにゃあん、なんて可愛い子犬ちゃん! ちょ、ちょっと今、モフらせてくれないかなっ、頭のところだけでいいから、子犬になってくれないかなっ!』と少し鼻息を荒くした。

 料理人のエリナはお空の彼方に飛んでいきそうだ。
 しかし、こんなに小さな子犬の毛は、柔らかくてとびきりふわふわで、モフった者を天国に飛ばす勢いで気持ちよくさせるに違いないから、仕方がないと言えよう。

「もちろんですよ! なんでも聞いてください!」

 白耳の子猫が食い気味に言って近づいてきたが、女の子は怯まない。
 むしろ『うわあ、青弓亭のエリナちゃんは、近くで見るとなんて可愛い子猫ちゃんなんだろう……猫耳って最高に素敵だな。わたし、子猫って大好き。このふんわりしたお耳に、ちょっとでいいから、触らせてくれないかな』などとこっそりと考えて、頬を染めた。

 類は友を呼んでしまったのか、見た目は可愛い子猫と子犬なのに、その頭の中はふたりとも少々残念であった。
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