陰謀のための結婚

 そして三矢。妊娠できるかもしれないと知ったら、智史さんと別れさせるよう仕向けるのだろうか。

 智史さんから聞く三矢と、私が知っている彼とではかなりの隔たりがあって、どう考えても智史さんを騙しているとしか思えない。

 それなのに城崎社長は少なくとも、私と三矢が離れて暮らしていたと知っている。

 そこまで考えて、まだ父親に夢を見ているのかとため息を漏らす。

 私と三矢が親子として一緒に暮らしていない事実は、簡単に発覚してしまう。それなら最初から都合よく伝えた方がいいに決まっている。

 もしかしたら認知についても、真実は捻じ曲げられて伝えられているかもしれない。

 それならば、三矢と話すだけ無駄だ。

 永久に三矢と分かり合える日は来ないだろう。それが二十八年生きてきた私の答えだった。
< 151 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop