腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

「私は、先生が好き。大好きです。でも、まだ夜の先生には戸惑ってます」
「そうだよね」
「全部知りたいって思ったのは本当だし、もっとちゃんと受け入れて、考えますから……だから……」

 何を言おうとしたのか自分でもわからなくなった私の言葉が途切れると、先生はもう一度優しく私の頭を撫でる。

「大丈夫だから、無理しないで。僕の問題だし、僕がなんとかするから」

 先生は優しくそう言うと、そっと私の前髪を持ち上げ額にキスを落とす。

(また最初に戻ったみたい……)

 それがなんだかすごく寂しくて、離れた先生の唇に噛み付くようなキスをした。
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