腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

 いつもなら、写真に撮って保存したいくらい大好きなリク先生の微笑み。
 だけど今は……なんだか……

ーーーなんだかすごく怖い!

「いつも、ももは思い通りにならなくて。なんでかなって思ってた」
「……どういう」

 私が聞くより前、先生は私の頬を撫でる。
 びくりと肩を震わせると、潤む視界の中で先生がクスリと笑った。

「その泣きそうな顔は思い通り。最高だ」

 そのまま顔が近づいてきて、唇が触れる。

「んんっ……!」

 そのままリク先生は、私にキスをした。

< 29 / 218 >

この作品をシェア

pagetop