腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

 もしかして、昨日みたいに強引に先生に押し倒されるんじゃ……。
 少し不安になって先生を見つめる。

「せ、先生……?」

 しかし、先生は唇を離すと、それから私の両肩を掴んでまっすぐ私を見た。

「もも、あのね僕は……」

(もうチャンスを逃したくない!)

 そう思って、先生が言葉を最後まで言い終わらないうちに、先生に強く抱き着く。

「私、先生が好き! 先生だけがずっと好きなの! 絶対後悔しないから……だから……!」

 喉がやけに乾く。息も飲めない。
 そこから次の言葉に詰まってしまって、地団駄を踏みたくなる。

(言葉が出てこないなら、行動すればいい)

 なんだかすっとそんなことを思って、私は先生から少し離れると、自分のルームウェアに手をかけた。

 ひとつ、ふたつ、とボタンを外していく。
 すると、次の瞬間、そんな私の手を先生が掴んだ。
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