腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

「今分からなくても、朝にはこの意味が分かってるよ」

 先生は微笑んで、私の唇に口づける。
 そして次の瞬間には、無理矢理みたいに唇を舌でこじ開けて、口内を心行くまで舐めとる。激しさに息もできないまま、飲みきれない唾液が頬を伝う。

 先ほどまでとは全く違うキスに戸惑っていると、裸のままの私の身体にも、痛いくらいのキスを無数に落とし始めた。

 慌てて足を閉じると、体を入れられて膝から割り開かれる。

(これ……まさか、またするの⁉︎ さっきまでそんな感じじゃなかったじゃない! なんで突然!)

「ちょ、待って……! も、もう、無理です! 無理ですよ⁉︎ だってさっきしたばかりで……!」
「僕のこと、全部知りたかったんでしょ? 教えてあげる」

 先生は笑って、あろうことか足の付け根にも口付けた。その強引な動作はさっきまで抱き合っていた先生と全然違った。

 先生を止めようとジタバタ暴れても先生はやめてくれない。

「や、だめっ……!」
「もう引き返せないよ」

 額をつけ、先生は目を細めて微笑んだ。
 冗談ではない。本気なんだ。そう、直感した。でも……。

(本当にちょっと待ってくださいぃぃいいい!)
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