黒曜の戦場


なんだ?だれだ?私に用なのか?と思い、トーンの違和感がないことを確認してからそちらを見上げる。



と、そこには眉間にシワを寄せたガチヤンキーが、私の後ろに立っていたのだ。

ヒェッ!!!



「なんっ…………!!?」



私、なにか粗相をしたのだろうか?

まさか時間差で締め上げられでもするのだろうか?と思っていたら、そのゴツい左手が机をドンする。

机ドンだ。

なんのキュンもない恐怖の机ドンである。



「…………お前」

「ひぁ……」



琥珀ちゃんの瞳は徐々に潤んでくる。

怖くないとか嘘だよやっぱりこの人怖いよベルギーズ!!!

そりゃ震えるよね!!えぇ!!震えますとも!!!

雪山で熊さんに壁ドンされているようだよ!!!

熊さん冬眠するから雪山にいないだろうけどな!!!



「なん……ですかっ……?」



机ドンされて見下ろされているその視界の中には、私しかいない。

どう足掻いたって用があるのは私でしかない。



「名前」

「は……?」

「お前の名前言え」



…………それはそろそろ覚えて欲しかったな!!!!

ついさっき三回は『琥珀ちゃんです!!!』って名乗ってたよ!!?

ちなみに昨日も名乗りましたっ!!!

琥珀ちゃんは主張が強いのですっ!!!
< 135 / 505 >

この作品をシェア

pagetop