黒曜の戦場

15.必要のない噂を流しているのは、誰?



『ずっとセコムが付いてる』

『急に出て来て何様?』

『あのいおりさんに守られてるなんてどんな手を使ったんだか』



これは今日、私の周りでコソコソと聞こえて来た言葉たちのほんの一部である。



「なんの話だろうね?」

「ほんと、アンタの頭の中って平和なのね。気付いてないならいいわ。ていうかセコムってなによ失礼ね」

「セコム……?」



放課後、ホームルームが終わり、みっちょんと話ながら帰り支度を進めている時だった。

朝のように、それがまるで当然かのように未夜くんが教室に入り込んで来ると、私の机にダボダボのカーディガンに包まれた手が置かれた。

見上げると未夜くんは入ってきたドアに目配せするからそちらを見ると、そこには咲くんがゆったりとドアにもたれかかって、ふわりとした笑みを見せていた。



「未夜くん、と、咲くん……!?」



わぁ!咲くんと未夜くんがまた会いに来てくれた!!

琥珀はパァァァと二人を見つめ返すと、そこにいた未夜くんとハイタッチをする。

お昼休みぶりだねっ!

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