黒曜の戦場

17.女神さんで広まってんの?



階段を上った二階の入口、そこは広めの空間になっていて、倉庫の一階の端から端まで見渡せる程には高い位置にある。



「オラ注目しろ野郎共!!!!!」



肌を撫でる空気の冷たさは本当に寒いのか、はたまた倉庫の下の人たちからの視線を浴びて背筋を凍らせているからか。

あんなにも騒がしかった倉庫内が、このいおりさんと咲くんが二階へと上がった時を境に静まり帰っていた。ひぇっ。



いおりさんに呼び出されるがままに、みっちょんと共にこの二階のこのスペースへと足を運んだものの、本当にここに私たちがいていいのか?疑問である。

ちょっとした壇上とかじゃなく、一階分高い位置で注目を浴びているもんだから、これはもう逃げようがない。



あうぇーだっ!!!!

顔面も雰囲気も怖い人たちが長机の上のご馳走を囲んで、全員こっちを見ている!!!ひぇっ!!!

所々パーティーグッズを身に付けている所がちょっと可愛い……!!!



「琥珀、私たちはもう穏やかな学校生活は送れないかもしれないわ」

「みっちょん……!?」



諦めたように下々ーズを端から端まで見渡して、「巻き込まれ事故……」なんて呟くみっちょん。

ご、ごめん、そうだよね。

みっちょんは琥珀と一緒にいただけなんだもんね……。

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