黒曜の戦場

34.自分の、恋愛?



保健室の扉が開かれた先、そこにはいおくんが立っていて。

琥珀をみるや「ゲッ」という顔を隠しもせず、腕を引き上げて保健室の中へと導いてくれた。



どうやら先生はいないようだ。



いおくんは琥珀の手足を見て、それからべちょべちょの顔を見るとティッシュを数枚取って顔にべちんと当て付ける。

あぁ、あの時みたいだ、琥珀が体育倉庫でお怪我した時。



「何があったのか簡潔に話せ」



それから保健室にあるタオルを持ってきて今度はタオルを雑に顔に擦ってくるいおくんは、やっぱりあの時と変わらず雑だけど優しかった。

そして、琥珀のお話を聞いてくれたの。









「んで、ミツハに刃向かったって?」

「びっちょんごべんんんん」

「アイツの名前までべちょってんじゃねぇよ」



ちょっとだけ話して少しすっきりしてきた琥珀は、お鼻をたくさんかんでお鼻真っ赤にしていた。

ちょっとひりひりする。



琥珀、みっちょんの言葉から逃げてきちゃったよ。

そんな罪悪感と、みっちょんを傷付けちゃっただろうか?という不安でいっぱいいっぱい。

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