黒曜の戦場

35.れん、あい……?


『なんで……キス、したの?』



琥珀の気持ちはぐちゃぐちゃして、ぐちゃぐちゃしてわからないの。

それは、ぐちゃぐちゃしている紐が解けないように、絡まりあって、諦めちゃいたくなるような、どうすればいいのかわからないような。

そんな感じの、ぐちゃぐちゃで。



座っている琥珀は、俯いてまた涙をぽろり、こぼした。



「ごめん、琥珀ちゃん。そんなに追い詰めてたなんて……」



そうして琥珀の顔を覗き込む咲くんを少し見てから、琥珀は頬を膨らませてぷいっと顔を逸らした。



「っ琥珀ちゃん」

「咲くんのせいで、琥珀ぐちゃぐちゃしてるの。教えてくれたら……絡まってるものが少しは解けるかもしれない」



手をぎゅっと握りしめて、そう咲くんに伝える。

口をつぐむ咲くんは困った表情で、悩んでいるようで。



琥珀はさっきいおくんから聞いたことをぶつけてみることにする。



「よ、よくっ……欲情?したって……いおくんが」

「は?」

「……………………え?」



さっきのいおくんとの話を思い出した琥珀は、それを咲くんに問おうかと思っていたけれど。

それは思っていたような反応ではなくて。
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