甘い支配の始まり《マンガ原作賞優秀作品》
a bond of love*愛の絆
「わっ…びっくりした…」
話している紫乃の後ろから腕を回しぎゅっと抱きしめると、驚いた紫乃がスマホを落としそうになる。それを一緒に持ち
「真麻、ホストクラブはダメだ」
‘出た…ミジンコ壱くんて呼ぶよ?’
「何とでも呼べ。でもホストクラブはダメ」
‘社会経験よ’
「しなくていい経験もある」
‘何事も経験よ。紫乃ちゃんも行ってみたいでしょ?’
悪魔の誘いを聞く。
「うーん…行きたいって思ったことはない…」
だろ?
「けど…」
はっ?けど?
「まこちゃんのお店ということに興味はあるかな…真麻ちゃんは行ったことあるの?」
‘あるよ’
「行って何をするの?お酒を飲むんだよね?」
‘そう。いつもと違う装いで出かけるのも、たまにはいいよ’
「いつもよりお洒落するってこと?」
紫乃…お洒落したけりゃ買ってやるっていつも言ってるだろ?
‘イブニングドレスを着て、髪もセットしてもらって出かけようよ、紫乃ちゃん’