甘い支配の始まり《マンガ原作賞優秀作品》






「うん…結婚を前提にお付き合いを始めたって聞いたのはバレンタイン頃だったでしょ?」
‘…’
「…いろいろ確認って…うん…」

紫乃が少し声を抑えて…照れた。可愛らしい…真麻が何を言っているかはわからないがいいぞ、真麻。

「致した…?はぁ…真麻ちゃん…そんなに…あんなことこんなことって…」

ますます照れた。可愛らしい。いいぞ、真麻。

「それで…あれこれ致して…致して…致しているうちに赤ちゃんがおできになられたと…?」

何となく話は読めた。照れすぎて言葉がおかしい紫乃も可愛らしい。

「何、致したって?」

我慢出来ずにスマホのない耳元へ囁き、耳たぶを唇で挟んで引っ張る。それから

「真麻、子ども出来たのか?おめでとう」

スマホをスピーカーにすると紫乃を膝に乗せてソファーに座る。

‘ありがとう、壱くん。想定外に出来ちゃった感はあるんだけど…いずれは欲しいから嬉しい’
「なんだ?想定外?」
‘ふふふふっ…相性確認中だったのよね。で、相性がいいもんだからいろいろ楽しく試して致して…出来ちゃった’
「…あいつ、そんなにいいのか…何がいいんだ?参考にする」
‘やだ、壱くんのおかずにされちゃいそう…言わない’

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