雨上がりの景色を夢見て
「寂しいけど、亜紀の嬉しそうな様子見れてるから、平気!それに約束してるのは本当だから」

そう明るく話す清水さんだけど、いつも一緒にいる近藤さんが隣にいないのは寂しそうだった。

「いつでもおしゃべりしにきてね」

「ありがとうございます。あっ、友達来たので私も帰ります」

そう言って、清水さんは、廊下の奥からこちらに向かってくる2人の女子生徒に手を挙げて呼んだ。

「気をつけて帰るのよ」

「はーい」

清水さんの返事を聞いて、私は背中を向けて職員室へ向かった。

清水さん、無理してなければいいけど。

職員室の手前の廊下の窓から、清水さんが友達と楽しそうにおしゃべりをしながら校門を出ていく姿が見え、ほっと胸を撫で下ろした。

清水さんは社交的で、誰とでも分け隔てなく仲よくしている印象がある。

大丈夫そうでよかった…。

私は清水さんの楽しそうな後ろ姿を見送って、職員室の扉を開けた。

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