雨上がりの景色を夢見て
最近作ったブレンドアロマを思い出す。

「クラリセージとゼラニウムとメリッサのブレンドね。今の雛ちゃんに必要な香り」

不安を和らげたり、心のバランスを整えたり、幸福感を与える効能のあるアロマオイルをちょうど良い配合で混ぜ合わせたもの。

小物の入っている引き出しから、小さな瓶を取り出す。作ったばかりのブレンドしたアロマオイルを瓶に詰め替えた。

「お土産に持たせるわ」

「うん、喜ぶと思う」

夏樹はそう言って、私と夏樹の分の朝ご飯のワンプレートをテーブルに並べた。

「俺、今日早く出ないといけないから、中川先生の分、起きてきたら出してくれないか」

「うん、わかった」

そう答えて、キッチンに置いてあるラップのかかったプレートの位置を確認する。

甘い卵焼きを食べながら、ふと昨日の夏樹とのやりとりを思い出した。

「そういえば、夏樹、雛ちゃんのこと何とも思っていないような事言ってたわよね…?」

私の言葉に、あからさまに面倒臭そうな顔をする夏樹。

「…今その話蒸し返す?」

「…何とも思っていない子、泣かせるの?」

ちょっと意地悪っぽく言うと、夏樹は困ったような表情をした。






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