雨上がりの景色を夢見て
『それだけで、雛ちゃんのこと好きなんでしょ?』

『…だよな』

ただの同僚なり後輩から、ここまで特別な存在になるなんて思っても見なかった。

距離を感じていた頃は、綺麗な先生だなくらいにしか思っていなかったけど、1度壁がなくなると、その魅力に引き込まれて、心を奪われてしまう。

本当の雛ちゃんを知れば知るほど、愛おしく、独占欲を掻き立てる。雛ちゃんにとって、俺を必要として、たくさん頼って欲しいと思うようになった。

だから、メールで〝会いたい〟ときた時には、気がついたらすぐに引き返し、雛ちゃんのマンションに向かっていた。










ハンドルを握る手に少しだけ力が入る。焦ってもいいことなんてない。だから、彼女のペースでゆっくり歩み寄りたい気持ちがある。

だけど…。

いつまで我慢できるのか…。



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