パイロットは仕立て屋を甘く溺愛する
──な、慣れるんですか!? これに!?

 そう言って、軽く唇を触れ合わせるキスをした貴堂は紬希の頭を撫でて、階段を降りてゆく。

 階段を降りきったところで貴堂は紬希に声をかけた。
「紬希が中に入らないと心配で帰れない」

 紬希は慌ててドアの中に入り、ちょこっと顔だけを出す。
「おやすみなさい。あの、気をつけてお帰りくださいね」

 貴堂は笑って手を振った。
「うん。おやすみ」
──本当に可愛らしい。
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