パイロットは仕立て屋を甘く溺愛する
──白くてヒラっと……?

「あー分かるなー。それ付けてお帰りなさいとか玄関で出迎えてほしい」
 完全に話がズレているのだが、紬希には分かっていない。

「門脇さんにですか?」
 門脇は貴堂と比べると華奢だが、それでも男性だ。

 その門脇にヒラっとした白いエプロン……?
 それは絵的にどうなんだろうと首を傾げる紬希だ。

「そんな訳ないだろう。紬希にだよ」
「え? 私?」
「男のロマンだよなー」
 貴堂と門脇には分かるようだ。

──男のロマン……。私には分からないものなのかしら?

 家に帰ったら兄の透に聞いてみようと思った紬希なのだった。


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